保守を考えた実装って?引き継ぎやすいコードの条件【発注側目線】
「あのときの外注コーダーさんに頼んだサイト、別の人が触ったら何時間もかかってた…」
制作会社・ディレクターの皆さんなら、こんな苦い経験ありませんか?納品時はキレイに見えても、いざ改修フェーズに入ると「触れない」「壊しそう」「結局書き直し」になってしまうコードがあります。
今回は「引き継ぎやすいコード」とはどんなものかを、発注側が知っておきたい観点でまとめました。
結論:「規則性」と「最小限の前提」
引き継ぎやすいコードの特徴を一言で表すと、「規則性があり、最小限の前提知識で読める」こと。複雑な独自ルールや、コメントのない暗黙知に依存しないことが理想です。
① CSS設計が決まっているか
BEM、FLOCSS、CUBE CSSなど、何でもいいので設計思想が一貫していること。
| 命名スタイル | 引き継ぎやすさ |
|---|---|
| BEM(Block__Element–Modifier) | ◎ ほぼ全業界で通用 |
| FLOCSS(layer/component/project等) | ◎ 規模感あるサイトに最適 |
| Tailwind(utility-first) | ○ プロジェクトによる |
| 独自命名(意味なし) | × 引き継ぎ困難 |
② ファイル分割が論理的か
1ファイル5000行のSCSSは、もはや読めません。役割ごとに分割されていることが重要です。
- foundation/:リセット・変数・ミックスイン
- layout/:header、footer、grid系
- component/:再利用パーツ(ボタン、カード)
- project/:ページ・セクション固有スタイル
SEOとコーディングの関係でも触れましたが、整理されたコードは検索エンジンにとっても理解しやすくなります。
③ コメントは「なぜ」を書く
良いコメントは「何をしているか」より「なぜそうしたか」を書きます。
// 悪い例
// 文字色を赤に変更
.error-message { color: #ff0000; }
// 良い例
// ブランドカラー違反を避けるため、エラー文字は赤(#c00)に統一
.error-message { color: #cc0000; }
「なぜ」が書いてあれば、改修者は影響範囲を判断できます。
④ 単位や数値に意味があるか
突然出てくる87pxや13.5emは、改修時に「これ動かしていいのか…?」と止まる原因になります。
- 4px / 8px の倍数などのルールがある
- 変数(CSS Custom Properties or SCSS変数)で管理
- マジックナンバーには理由をコメント
⑤ JSが疎結合か
JavaScript も同じ。「これを修正すると、別の箇所が壊れる」状態は引き継ぎ困難の典型です。
- 機能ごとにファイル分割
- グローバル変数を作らない(即時関数で囲む、moduleで書く)
- セレクタは
js-xxx接頭辞で分離(CSSとの混同を防ぐ)
引き継ぎやすさを発注前に確認するには?
外注コーダー候補に、こんな質問をしてみましょう。
| 質問 | 狙い |
|---|---|
| 「他社が書いたコードを引き継いだ経験はありますか?」 | 引き継がれる側の苦労を知っているか |
| 「ファイル構成のサンプルを見せてもらえますか?」 | 整理術の確認 |
| 「コメントの方針はありますか?」 | 運用視点の有無 |
こうした質問に明確に答えられる人は、引き継ぎ可能なコードを書きます。
納品時にもらいたい資料
- READMEファイル:ビルド方法・依存パッケージ・主要なディレクトリ説明
- 変数一覧:色・余白・フォントサイズなど
- 動作確認手順:ローカル起動方法
これらがあるだけで、半年後・1年後の改修が劇的にスムーズになります。
まとめ
引き継ぎやすいコードは、「規則性」+「最小前提」+「丁寧なコメント」の3点で生まれます。発注前のヒアリングと、納品時の資料請求でかなり防げます。
「過去の納品物が引き継ぎにくくて困っている」「今後の案件は保守を考えた実装にしたい」という方は、おくだ屋の制作会社向けサービスでも対応可能です。お気軽にご相談ください。